自然な存在感を無限再生する、VRならではの演出表現
VRは気配を扱うメディア
通常のカメラ同様、VRは録画ボタンを押せば誰でも作品を撮ることができるでしょう。忘れてはいけないのは、VRは空気を表現する、気配を扱うメディアだということです。
映像に登場する人物のふるまい、まなざし、声などの距離感をリアルに再現し、気配をナビゲーションのように使うことで、オーディエンスを誘導していきます。
そしてアーティストのライブ感、言い換えればその場にいるような存在感を、何度でも再現できます。
大事なのは「どこで」「どのタイミングで」「どのような体験をつくるか」を緻密に設計し、体験者の「腑に落ちる感覚」をつくって没入感を高めること。
VR制作ではカスタマージャーニーをたどるように、期待値を醸成するタイミングや最終的な到達地点を考えていくことが重要です。
そんなところが、デザイン思考を応用できるデザイナーがVR映像を制作するアドバンテージだと僕は考えています。